食品製造業・食品工場に関する動向調査
食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査
カーボンニュートラル、課題は「予算の確保」「費用対効果」「知識不足」
食品製造業では今後、カーボンニュートラルに取り組む企業が増えていくと考えられています。
地球規模で対応が求められている気候変動問題への対応や、ESG(環境:Environment、社会:Social、統治体制:Governance)を考慮した経営の必要性、 日本においては2050年カーボンニュートラル化・脱炭素社会の実現に向けた取り組みが今後進むと考えられるためです。
カーボンニュートラルに取り組むことは、企業の生産性を向上させる機会である一方で、どのようにカーボンニュートラルを実現していくかについては、食品製造業の今後の課題となっています。
今回、富士電機の食品工場ソリューションサイトでは独自に食品製造業におけるカーボンニュートラルに関する動向調査を実施しました。
食品製造業勤務の経営層・役員・部長・課長クラスの回答者を対象に、カーボンニュートラルに関する取り組み状況、具体的に実施していること、問題・課題、今後の取り組みなどについての インターネット調査を実施し、「食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査」としてまとめました。
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食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査概要
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調査項目
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食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査の結果
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カーボンニュートラルとう言葉の認知
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カーボンニュートラルに向けた取り組み状況
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カーボンニュートラルへの具体的な取り組み
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未利用エネルギーの活用(工場排熱など)
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太陽光発電設備の導入
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省エネ活動の推進
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エネルギー使用量の見える化
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CO2排出量の見える化
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環境に配慮した部品・原材料への切り替え
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高効率・省エネ設備への切り替え
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3R活動の推進
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廃棄物削減
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電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入
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自然エネルギーで発電した電力の調達
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カーボンニュートラルを推進していく上での問題・課題
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カーボンニュートラルに関する問題・課題について(FA)
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調査結果ダウンロード
配管工事不要で簡単に取付けられ、圧力損失の心配なしに蒸気流量を測定可能。高精度で飽和蒸気の流量を測定し、蒸気流量の「見える化」を実現。EMS連携で省エネにも貢献します。
食品製造業のカーボンニュートラルに関する意識調査概要
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対象エリア
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全国
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調査対象者
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食品製造業従事者
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有効回答数
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820人
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調査方法
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インターネット調査
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調査期間
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2022年2月22日~2月24日
[左:回答者の役職]
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経営層・役員クラス 12.8%
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部長クラス 28.2%
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課長クラス 59.0%
[右:従業員規模]
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100人未満 26.8%
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100人~499人 28.7%
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500人~999人 11.7%
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1000人~4999人 20.0%
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5000人以上 12.8%
調査項目
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カーボンニュートラルとう言葉の認知
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カーボンニュートラルに向けた取り組み状況
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カーボンニュートラルへの具体的な取り組み
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未利用エネルギーの活用(工場排熱など)
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太陽光発電設備の導入
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省エネ活動の推進
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エネルギー使用量の見える化
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CO2排出量の見える化
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環境に配慮した部品・原材料への切り替え
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高効率・省エネ設備への切り替え
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3R活動の推進
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廃棄物削減
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電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入
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自然エネルギーで発電した電力の調達
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カーボンニュートラルを推進していく上での問題・課題
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カーボンニュートラルに関する問題・課題について(FA)
以下、動向調査の内容を抜粋してご紹介いたします。
食品製造業・食品工場に関する動向調査の結果
カーボンニュートラルとう言葉の認知
カーボンニュートラルとう言葉の認知について「知っており、内容を理解している」と回答したのは全体の26.5%、「知っており、ある程度内容を理解している」が38.2%、「知っているが、内容は理解していない」が23.4%となった(図1)。
従業員規模別では従業員数が多くなるほどカーボンニュートラルとう言葉の認知が進んでいる傾向がみられた。
図1 カーボンニュートラルとう言葉の認知
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知っており、内容を理解している 26.5%
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知っており、ある程度内容を理解している 38.2%
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知っているが、内容は理解していない 23.4%
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知らない 12.0%
カーボンニュートラルに向けた取り組み状況
カーボンニュートラルに向けた取り組みについて「現在取り組んでいる」と回答したのは全体の40.0%、「今後取り組む予定がある」が25.3%、「取り組んでいない」が30.2%となった(図2)。
従業員数が多くなるほどカーボンニュートラルに向けた取り組みが進んでいる傾向がみられた。
従業員規模別では100人未満では「現在取り組んでいる」の回答は18.0%という結果になった。一方、従業員規模5000人以上では65.4%となり、取り組み状況に47.4%の差が開いた。
図2 カーボンニュートラルに向けた取り組み状況
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現在取り組んでいる 40.0%
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今後取り組む予定がある 25.3%
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取り組んでいない 30.2%
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わからない 4.5%
カーボンニュートラルへの具体的な取り組み
カーボンニュートラルに向けた具体的な取り組みについて、「廃棄物の削減」の回答が最も多く80.1%、次いで「省エネ活動の推進」が74.3%、「エネルギー使用量の見える化」が58.1%となった。(図3)。
図3 カーボンニュートラルへの具体的な取り組み
[「取り組んでいる」との回答比率]
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未利用エネルギーの活用(工場排熱など)40.8%
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太陽光発電設備の導入 35.8%
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省エネ活動の推進 74.3%
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エネルギー使用量の見える化 58.1%
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CO2排出量の見える化 43.9%
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環境に配慮した部品・原材料への切り替え 57.8%
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高効率・省エネ設備への切り替え 55.8%
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3R活動の推進 50.3%
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廃棄物削減 80.1%
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電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入 12.7%
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自然エネルギーで発電した電力の調達 28.0%
未利用エネルギーの活用(工場排熱など)
未利用エネルギーの活用(工場排熱など)について「取り組んでいる」と回答したのは全体の40.8%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が27.5%、「取り組んでおらず、予定もない」が20.5%となった(図4)。
従業員規模別では従業員数が多くなるほど未利用エネルギーの活用が進んでいる傾向がみられた。
図4 未利用エネルギーの活用(工場排熱など)
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取り組んでいる 40.8%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 27.5%
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取り組んでおらず、予定もない 20.5%
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わからない 11.3%
関連ソリューション
関連導入・提案事例
太陽光発電設備の導入
太陽光発電設備の導入について「取り組んでいる」と回答したのは全体の35.8%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が24.9%、「取り組んでおらず、予定もない」が26.9%となった(図5) 。
従業員規模別では従業員数が多くなるほど 太陽光発電設備の導入が進んでいる傾向がみられた。
図5 太陽光発電設備の導入
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取り組んでいる 35.8%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 24.9%
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取り組んでおらず、予定もない 26.9%
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わからない 12.4%
省エネ活動の推進
省エネ活動の推進について「取り組んでいる」と回答したのは全体の74.3%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が19.4%、「取り組んでおらず、予定もない」が2.6%となった(図6)。
従業員規模別では、5000人以上で「取り組んでいる」が9割近い回答を得られた。
図6 省エネ活動の推進
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取り組んでいる 74.3%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 19.4%
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取り組んでおらず、予定もない 2.6%
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わからない 3.8%
エネルギー使用量の見える化
エネルギー使用量の見える化について「取り組んでいる」と回答したのは全体の58.1%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が27.5%、「取り組んでおらず、予定もない」が7.2%となった(図7)。
従業員数が多くなるほどエネルギー使用量の見える化が進んでいる傾向がみられた。
従業員規模別では100人未満では「取り組んでいる」の回答は34.0%という結果になった。一方、従業員規模5000人以上では75.4%となり、取り組み状況に41.4%の差が開いた。
図7 エネルギー使用量の見える化
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取り組んでいる 58.1%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 27.5%
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取り組んでおらず、予定もない 7.2%
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わからない 7.2%
関連ソリューション
CO2排出量の見える化
CO2排出量の見える化について「取り組んでいる」と回答したのは全体の43.9%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が31.8%、「取り組んでおらず、予定もない」が15.6%となった(図8)。
従業員数が多くなるほどCO2排出量の見える化が進んでいる傾向がみられた。
従業員規模別では、1000人~4999人で「全社的に利用されている」が7割超の回答を得られた。
図8 CO2排出量の見える化
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取り組んでいる 43.9%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 31.8%
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取り組んでおらず、予定もない 15.6%
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わからない 8.7%
関連ソリューション
環境に配慮した部品・原材料への切り替え
環境に配慮した部品・原材料への切り替えなどの取り組みについて「取り組んでいる」と回答したのは全体の57.8%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が28.3%、「取り組んでおらず、予定もない」が10.1%となった(図9)。
従業員規模別では従業員数が多くなるほど環境に配慮した部品・原材料への切り替えなどの取り組みが進んでいる傾向がみられた。
図9 環境に配慮した部品・原材料への切り替え
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取り組んでいる 57.8%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 28.3%
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取り組んでおらず、予定もない 10.1%
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わからない 3.8%
高効率・省エネ設備への切り替え
高効率・省エネ設備への切り替えについて「取り組んでいる」と回答したのは全体の55.8%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が32.4%、「取り組んでおらず、予定もない」が7.5%となった(図10)。
従業員規模別では、1000人~4999人で「取り組んでいる」が全体と比べやや高くなっている。
図10 高効率・省エネ設備への切り替え
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取り組んでいる 55.8%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 32.4%
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取り組んでおらず、予定もない 7.5%
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わからない 4.3%
3R活動の推進
3R活動の推進について「取り組んでいる」と回答したのは全体の50.3%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が26.0%、「取り組んでおらず、予定もない」が11.0%となった(図11)。
従業員数が多くなるほど3R活動の推進が進んでいる傾向がみられた。
従業員規模別では100人未満では「取り組んでいる」の回答は31.9%という結果になった。一方、従業員規模5000人以上では73.8%となり、取り組み状況に41.9%の差が開いた。
図11 3R活動の推進
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取り組んでいる 50.3%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 26.0%
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取り組んでおらず、予定もない 11.0%
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わからない 12.7%
廃棄物削減
廃棄物削減について「取り組んでいる」と回答したのは全体の80.1%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が15.6%、「取り組んでおらず、予定もない」が2.3%となった(図12)。
従業員数が多くなるほど廃棄物削減が進んでいる傾向がみられた。
従業員規模別では、 5000人以上で「取り組んでいる」が9割近い回答を得られた。
図12 廃棄物削減
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取り組んでいる 80.1%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 15.6%
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取り組んでおらず、予定もない 2.3%
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わからない 2.0%
電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入
電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入について「取り組んでいる」と回答したのは全体の12.7%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が32.1%、「取り組んでおらず、予定もない」が39.6%となった(図13)。
従業員規模別では、5000人以上で「取り組んでいる」が全体と比べやや高くなっている。
図13 電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の導入
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取り組んでいる 12.7%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 32.1%
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取り組んでおらず、予定もない 39.6%
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わからない 15.6%
自然エネルギーで発電した電力の調達
自然エネルギーで発電した電力の調達について「取り組んでいる」と回答したのは全体の28.0%、「取り組んでいないが、取り組む予定がある」が31.2%、「取り組んでおらず、予定もない」が27.2%となった(図14)。
従業員規模別では、5000人以上で「取り組んでいる」が目立って高くなっている。
図14 自然エネルギーで発電した電力の調達
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取り組んでいる 28.0%
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取り組んでいないが、取り組む予定がある 31.2%
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取り組んでおらず、予定もない 27.2%
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わからない 13.6%
カーボンニュートラルを推進していく上での問題・課題
カーボンニュートラルに向けた取り組みを推進していく上での問題・課題について、もっとも回答が多かったのは「必要な予算の確保」で50.3%、次いで「必要な予算の確保」で50.3%、「費用対効果がわかりにくい」で41.3%の順に続く結果になった(図15)。
従業員規模別の集計では「知識・ノウハウの不足」が最も多かったのは100人~499人の回答で53.9%、最も少なかったのは1000人~4999人で回答は27.5%となった。
図15 カーボンニュートラルを推進していく上での問題・課題
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必要な予算の確保 50.3%
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費用対効果がわかりにくい 41.3%
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特にない 5.5%
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適切な相談相手がいない 9.5%
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知識・ノウハウの不足 36.7%
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推進できる組織・体制不足 35.3%
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推進できる人材不足 35.0%
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従業員の取組みに対する理解 35.0%
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わからない 4.0%
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その他 1.7%
カーボンニュートラルに関する問題・課題について(FA)
カーボンニュートラルに関する問題・課題についてのFA(フリーアンサー)では、「費用対効果が分かりにくい」「製品価格への転嫁」「人材・知識不足」に関連する問題・課題が多くみられた(以下FA回答の抜粋)。
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顧客のニーズと、カーボンニュートラルの取り組みについて、価値観が合致するが課題。
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費用がどのくらいかかるのかが分からず、取り組みに踏み出せない。
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人材やノウハウ付属であり、推進者がいないことが課題である。
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廃棄処分はどうしても出るので縮小させたいが、世間全体の意識が変わらないと難しい。
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コストアップになるが、製品価格に転嫁できないこと。
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規模は小さいながらも省エネなど企業としてできうる範囲内で推進していきたい。
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太陽光発電を取り入れたいが、豪雪地帯の問題がある。
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社員の周知徹底から個々の取り組みまでに時間がかかる事。
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代替エネルギーの確保に費用がかかるし、その外的環境が整備されていない。
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コロナ禍で収支状況が厳しく、カーボンニュートラルに取り組む余裕がなくなってきている。
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費用対効果が出にくい。補助金を得ても、承認からの工期が短く、実現が難しい。
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中小企業の為、費用に対する効果の問題がある。人手不足もある。
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商品価格にコストを転嫁できるかが不透明である。転嫁するのに力が必要。
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ロス削減のため、生産工程を見直して取り組んでいる。
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環境対応しようとするとコストがかかる。コロナで物価が上がり続ける中で会社としてなかなか支出をふやせない。
調査結果ダウンロード
本調査結果については以下よりダウンロードすることができます。
(ファイル形式:PDF、1.39 MB)
富士電機では食品製造業・食品工場に関連する動向調査を不定期に実施し、お客様に役立つ情報を発信しています。本調査に関するお問い合わせは「お問い合せ・導入に関するご相談」ページよりお知らせください。
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