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食品流通 セグメント概況 富士電機レポート/統合報告書

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食品流通事業本部長写真

市場ニーズに対応した新商材で、
収益力の強化と事業基盤の構築に取り組みます。

執行役員常務
食品流通事業本部長
浅野 恵一

市場動向と事業機会

 食品流通市場は、改刷需要の収束により、全体としては前年を下回る見込みですが、新分野における自動化・省人化、環境対応などのニーズが高まっており、新製品の投入を通じて事業拡大に取り組みます。

2026年度中期経営計画の全体像
2026年度中期経営計画の全体像

業績概況

業績推移(億円)
業績推移( 億円)

 2024年度は、国内自販機のシェアアップ、店舗流通事業の新紙幣発行(改刷)に伴う自動釣銭機の需要増加により、売上高は対前年度42億円増加の1,115億円、営業利益は物量増および原価低減活動の推進により対前年度51億円増加の139億円となりました。
 2025年度は、新製品の売上拡大、更なるシェアアップといった拡販施策を推進しますが、改刷需要の剥落により、売上高は対前年度65億円減少の1,050億円、営業利益は対前年度19億円減少の120億円、営業利益率は11.4%を計画しています。

重点施策

高付加価値商材の展開拡大による収益力の強化

 国内の自販機事業では、2023年に省エネ大賞の経済産業大臣賞を受賞した「サステナ自販機」をベースにした超省エネ自販機の機種拡大や、オールペットボトル対応機の投入、また飲料とサプリメントなどを併売できるロッカー機能付き飲料自販機など、さまざまなロケーションに合わせてお客様の売上向上に貢献する機種のラインアップを拡充していきます。
 店舗流通事業では、コンビニ向けに省エネ、グリーン冷媒に対応し省エネ性能を高めた環境型ショーケースや、省人化に加え省スペース化を実現させる縦型釣銭機、また利用者の嗜好多様化に対応し、顧客の販売促進に貢献する新型カウンター機材の展開を推進します。
  ものつくりにおいては、プラットフォーム設計の展開や内製化の拡大などによる原価低減に加え、デジタル技術を活用した生産性向上により更なる収益力の強化を目指します。

【現行領域】高付加価値商材
超省エネ自販機
オールペットボトル自販機
ロッカー機能付き 飲料自販機
環境型ショーケース
【成長領域】DX応用サービス
 DX応用サービス

事業基盤構築(トップラインの拡大)

 中期経営計画に基づき、「DX応用サービス」「新分野」「グローバル事業」を成長領域と位置付け、強化していきます。
 DX応用サービスでは、自販機事業において、双方向通信機の搭載により、需要動向に応じて価格を柔軟に変動できるダイナミックプライシング機能やスマートフォンでの決済対応、自販機オペレーションの効率化サービスなどの展開により、お客様への提供価値を高めます。店舗流通事業においては、店舗コントローラを基軸としたエネルギー使用量の見える化やショーケースと空調機器の運転連携といった店舗運営の最適化と環境負荷の低減に寄与するサービスを展開していきます。2025年度は、顧客との実証実験を進め、スペックインに向けた活動を推進します。
 新分野については、昨年度に市場投入した外食向けコーヒーマシンをコーヒー機材商社との協業により、外食チェーン、カフェチェーンへのスペックイン活動を加速させます。自動化・高品質な味・メンテナンスフリーといった提供価値を訴求し、受注拡大を図ります。また、2024年度に市場投入したロッカー型自販機は、さまざまなサイズの商品を自由に選択できるうえ、冷蔵商品の24時間販売が可能という特長を有しており、青果、洋菓子、農産物を扱う新市場をターゲットに展開を拡大していきます。
 グローバル事業については、新たにインドの自販機市場への参入を目指します。中国・東南アジアについては、従来の自動販売機に加えコーヒー市場の広がりに対応したグローバルコーヒーマシン、成長が著しいアイスクリーム市場に向けたアイス自販機を展開します。
 今後も社会変化を先取り、持続的なトップラインの拡大と企業価値向上に貢献します。

【成長領域】自販機・店舗流通事業における新商材
外食向け コーヒーマシン
ロッカー型 自販機
グローバル コーヒーマシン
アイス 自販機

設備投資・研究開発

設備投資額(億円)
研究開発費(億円)

研究開発費はテーマに応じてセグメントに分類したもので、決算短信記載の数値とは異なります。

主な設備投資計画
  • 生産性向上に向けた投資(合理化、自動化、内製化)

  • ものつくり拠点のCO2削減に向けた環境投資

主な研究開発計画
  • 高付加価値自販機、環境型ショーケース

  • DX応用サービス、新分野向け製品