富士電機株式会社

IR資料室富士電機レポート/統合報告書

セグメント別概況

半導体

伸長する電動車向けパワー半導体の需要に対し、
生産能力増強を着実に実行し、
売上拡大を図ります。

執行役員専務
半導体事業本部長
宝泉 徹

写真:宝泉 徹
図:事業内容。産業59%、電装41%、2021年度売上高1,788億円。
主な向け先

【産業】インバータ、工作機械、エアコン、太陽光・風力発電、電鉄

【電装】電動車(EV、HEVなど)のモータ駆動、エンジン制御、ブレーキ制御

強み 【パワー半導体】

電力変換効率を大幅に向上させる高性能デバイス

高放熱性・高信頼性を実現するパッケージ技術

パワエレ機器の高効率化・小型化・高信頼性に貢献するモジュールの製品開発力

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事業紹介

市場動向と事業機会

高い変換効率・電力制御で省エネを担うパワー半導体は、脱炭素化に向けた環境対応、製造業の自動化投資の高まりなどを背景に、グローバルで需要が増加しています。

電装分野では、世界各国でガソリン車から電動車へのシフトが急速に進展しており、富士電機がターゲットとするフルハイブリッド車と電気自動車(EV)の生産台数は2019~2023年に年平均42%の成長率で伸長しています。

産業分野では、省エネや自動化需要の高まりを背景としたインバータ、工作機械などのFA関連向け、太陽光や風力などの再生可能エネルギー向けの需要が継続して拡大する見通しです。

※調査会社予測をベースにした富士電機予測

2021年度実績・2022年度計画

2021年度は、ディスク媒体事業の撤退影響があったものの、電装および産業向けパワー半導体の需要増加、ならびにシリコン(Si)製8インチ生産能力増強の前倒しにより、対前年度で大幅な増収増益を実現し、営業利益率は対前年度4.0pt増加の15.2%となりました。

2022年度は、伸長する電動車市場での売上増により、売上高は対前年度212億円増加の2,000億円、営業利益は34億円増加の305億円、営業利益率は15.3%を計画しています。

図:業績推移(億円)。2022年度経営計画。産業998、電装1,002、営業利益305、営業利益率15.3%。

重点施策

伸長する電動車向けパワー半導体の売上拡大

電動車の大きな課題である電力損失低減および航続可能距離向上に貢献するパワー半導体は、急速に需要が伸長するなか更なる高効率化が求められています。

富士電機は他社に先駆けて開発したSi製RC-IGBTを搭載し、直接水冷構造を採用したパワー半導体モジュールのスペックイン活動を継続的に実施し、国内外で採用メーカーおよび採用車種を増やしています。

またSi製品より大幅な電力損失低減が可能なシリコンカーバイド(SiC)製品へのニーズが高まっており、お客様とともにSiC新製品の開発に取り組むとともに、SiCパワー半導体の増産投資を決定しました。

引き続き電動車市場の伸長以上の売上増を図ります。

※RC-IGBT:Reverse-Conducting(逆導通)-IGBT

図:RC-IGBTの特長。小型化(チップ実装面積 25%低減)、高信頼性(チップ発熱上昇 33%低減)。
図:電動車向けパワー半導体モジュール性能推移。Si IGBTモジュールの、2025年度からはSiCモジュールの出力電流密度(比率)※を高めていく。
第7世代IGBTモジュールの産業向け売上拡大

高放熱性・高信頼性を備えた第7世代IGBTモジュールの製品系列を拡充し、再生可能エネルギー分野向けやFA向け製品の売上を拡大しています。

今後も同市場の堅調な需要を取り込み売上増を図ります。

生産能力増強の着実な実行

パワー半導体の旺盛な需要に対応すべく、2023年度までの5ヵ年累計設備投資額を当初計画の1,200億円から1,900億円に増やすことを決定しました。

パワー半導体チップの製造工程については、Si製8インチの生産能力増強投資を前倒しで実施し、2022年度の生産能力を2019年度比で約2.4倍に増やす計画です。また組立工程についても、自動車向けおよび産業向け製品の生産能力増強投資を継続的に実施しています。

SiC製品については、SiCモジュール市場がEV向けを中心に2024年度以降伸長する見込みのため、富士電機津軽セミコンダクタにおける2024年度量産開始に向けた準備を進めています。

図:設備投資額(半導体全体)(億円)。2022年度経営計画717。
図:Si製8インチ生産能力推移。2022年度経営計画236。

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2022年度経営計画説明会
および事業戦略説明会