富士電機株式会社

電子デバイス

電動車向けパワー半導体の生産能力増強を加速し、事業拡大を図ります。
写真:宝泉 徹

執行役員常務
電子デバイス事業本部長
宝泉 徹

事業内容

  • パワー半導体

    産業分野、自動車分野
  • ディスク媒体

主な向け先

  • パワー半導体
    産業 : インバータ、工作機械、エアコン、太陽光・風力発電、電鉄
    自動車: 電動車(EV、HEVなど)のモータ駆動、エンジン制御、ブレーキ制御
  • ディスク媒体
    HDD(データセンター、パソコン)

強み

パワー半導体

  • 電力変換効率を大幅に向上させる独自デバイス
  • 高放熱性・高信頼性を実現するパッケージ技術
  • パワエレ機器の高効率化・小型化・高信頼性に貢献するIGBTモジュールの製品開発力

富士電機の事業分野についてはこちら

富士電機の事業分野
売上高:2023年度中期経営計画 2,000
営業利益:2023年度中期経営計画 220
設備投資額:2019~2023年度累計計画 1,200
研究開発費:2019~2023年度累計計画 740

中期経営計画の方針

世界的な電動車需要の拡大、再生可能エネルギーの普及を背景に、自動車(電動車)および産業向けパワー半導体に注力し、生産能力の増強に向け積極投資を行い、売上・利益の拡大を図ります。

中期経営計画説明会の説明内容、
質疑要旨についてはこちら

2023年度中期経営計画説明会

市場に対する課題認識と事業機会

高い変換効率・電力制御で省エネを担うパワー半導体は、経済成長やテクノロジーの進展に伴うエネルギー消費量の増加、製造業での自動化投資拡大、地球温暖化防止に向けた環境規制などを背景に、さまざまな分野・用途で需要が拡大しています。

自動車分野では、世界各国でガソリン車から電動車へのシフトが進み始めており、電動車のモータ駆動用インバータ向けなど、パワー半導体の需要拡大が見込まれています。

産業分野では、クリーンエネルギー需要の高まりにより、風力や太陽光などの再生可能エネルギーへの移行が継続。また、労働力不足解消や生産性向上のための自動化投資が期待されており、工作機械やロボット向けの需要が拡大する見通しです。

主な取り組み(2019・2020年度)

電動車向けパワー半導体の売上拡大

2019年度は、さらなる低損失および高冷却性能を実現した第4世代直接水冷モジュールの量産が始まりました。自動車向け製品の売上は対前年で大幅に増加し、パワー半導体全体に占める売上高比率は前年度29%から35%へ伸長しました。

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により海外工場の稼働停止など、グローバルでガソリン車を中心に自動車の生産台数が減少傾向にありますが、環境規制が強化されているなか、電動車は今後も中長期的な需要拡大が見込まれます。

当社は品質の高い製品を安定的に提供し、電動車向けパワー半導体の売上拡大を図っていきます。

図:分野別売上高(億円)2019年度実績1,109→2023年度中期計画1,750
生産能力増強を加速

電動車向けパワー半導体の急速な需要拡大に対応するため、8インチウエハ生産設備の積極的な増産投資を実施しています。2020年度も継続して増産投資を実行し、組立工程についても国内外の生産拠点の能力増強を図っていきます。

再エネ・電鉄市場向け大容量IGBTモジュールの売上拡大

2019年度は、従来比約30%の低損失化を実現した第7世代IGBTチップを搭載し、高放熱性・高信頼性を備えた第7世代IGBTモジュールの大容量タイプを主に再生可能エネルギーや電鉄市場向けに発売しました。

これらの市場では、装置の大容量化かつ低損失化・小型化が進んでおり、本製品の特性を生かし、風力・太陽光発電機器メーカーへの売上拡大を実現しました。

2020年度は堅調な再生可能エネルギー市場向けで引き続き売上拡大を図るとともに、電鉄市場向けの新規案件の獲得により、産業分野でのさらなるシェアアップを目指します。

2020年度経営計画説明会の説明内容、
質疑要旨についてはこちら

2020年度経営計画説明会

Close Up!

電動車の環境負荷低減、航続可能距離の向上に貢献

電動車は環境負荷低減や航続可能距離向上のため、搭載部品の小型化・軽量化・高効率化が求められています。

当社はこのニーズに応えるため、電動車に欠かせないモータ駆動用インバータ向けに、小型化と低損失を実現したRC-IGBTを搭載し、従来製品に比べて放熱性能を高めた直接水冷構造を採用した「第4世代直接水冷モジュール」を2019年度より量産開始しています。

※RC-IGBT:異なる機能を持つ2種類の半導体(IGBT、還流ダイオード)を1チップ上に直線状に交互に配置し動作させることで、2チップ別々に配置した場合に比べて大幅な小型化を可能にします。

電気自動車(EV)イメージ図:電池とモータの間に入る、インバータの中に第4世代直接水冷モジュールが入っている
TOP