株主・投資家情報
富士電機レポート2026/統合報告書/セグメント概況/半導体

03 / SEMICONDUCTOR — セグメント別概況

半導体

取締役 専務執行役員 半導体事業本部長 宝泉 徹
取締役 専務執行役員
半導体事業本部長
宝泉 徹

確実なスペックインと新規顧客開拓の推進、需要に応じた生産体制の構築により、中長期的な事業拡大を図ります。

MARKET

市場動向と事業機会

高い変換効率・電力制御で省エネを担うパワー半導体は、脱炭素化に向けた環境対応、製造業の自動化投資の高まりなどを背景に、グローバルで需要が増加しています。

サブセグメント市場動向と事業機会
産業 インバータ・サーボなどモータドライブ分野においては、AI向け半導体の需要増加に伴い、半導体製造装置や産業ロボット向けの需要が増加し、NC工作機械向けは自動化・効率化の需要が継続する見込みです。再生可能エネルギー分野においては、風力発電や蓄電システム向けの需要が堅調に推移する見込みです。
電装 電気自動車(BEV)およびハイブリッド車(HEV/PHEV)ともに需要増加が継続する見込みです。
PERFORMANCE

業績概況

2025年度の売上高は、電動車向けのSiの需要減少および前期の販売価格改定の影響などにより減収したものの、中国再生可能エネルギー向けを中心とした需要増加、電動車向けSiCの需要増加および為替影響を主因に対前年度6億円増加の2,374億円となりました。営業利益は、産業分野の売上高の増加があったものの、原材料価格の高騰影響に加え、産業分野における中国市場を中心とした価格競争の影響や、電装分野の売上高減少および前期の価格改定の影響などにより対前年度136億円減少の235億円となりました。

2026年度の売上高は、産業分野のデータセンター、半導体製造装置向け需要増、電動車向けSiCの需要増があるものの、電装分野の欧米顧客向けの需要減少および為替影響を主因に、対前年度124億円減少の2,250億円。営業利益は、原材料価格の高騰影響および電装分野の売上高の減少により、対前年度105億円減少の130億円を計画しています。

業績推移

(億円)

2025年度の成果

  • SiC前工程の増産投資による売上拡大(対前年度:SiC生産能力2.5倍、SiC売上高約2倍)
  • 新製品の量産およびサンプル展開開始(量産:再生可能エネルギー向け大容量IGBTモジュール、電動車向けSiCチップ、小型RC-IGBTモジュール)
    (サンプル:第8世代IGBTモジュール)

2026年度の課題

  • 売上拡大と新規スペックインの強化
  • 競争力のある新製品開発
  • ものつくりの強化
CAPEX & R&D

設備投資・研究開発

設備投資額

(億円)

研究開発費

(億円)
※研究開発費はテーマに応じてセグメントに分類したもので、決算短信記載の数値とは異なります。

主な設備投資計画

  • SiC8インチライン開発
  • 産業分野および電装分野向けモジュール生産能力増強(新製品対応)
  • 特高受電設備などの更新

主な研究開発計画

  • SiC(次世代、8インチ)
  • 第8世代IGBT
PRIORITY MEASURES

重点施策

売上拡大に向けた新規スペックイン、新規顧客開拓の強化

当社は、インバータなどのパワエレ機器の高効率化、小型化、高信頼性に貢献する業界トップクラスの低損失チップと高放熱性、高信頼性を実現するパッケージング技術を保有しており、グローバルな生産拠点、販売・デザインセンターを活用した顧客サポートによりIGBTモジュール市場で世界シェア3位というトップクラスのポジションにあります。

これらパワー半導体事業の強みを活かし、中長期的に市場伸長が見込まれるモータドライブ分野や再生可能エネルギー分野、電動車向けを中心に製品の新規スペックインおよび新規顧客開拓を確実に実行していきます。

産業分野では、新製品拡販により市場伸長率を上回る売上拡大を目指し、電装分野では、新規顧客開拓と確実なスペックインにより2028年度以降の売上拡大を図ります。

競争力強化に向けた新製品開発と量産化

装置の小型化、システムコストダウン、高効率化といった高度な技術ニーズに対応するための新製品開発に継続的に取り組みます。

産業分野では、第7世代と比較して発生損失を15%以上低減し、同一パッケージで定格電流を拡大させた第8世代IGBTモジュールを量産化します。また、当社独自パッケージング技術で差別化し、中容量と大容量の中間領域に最適な新中容量モジュールを開発し、中長期的に市場伸長が見込まれる再生可能エネルギー向けやデータセンター向けなどの顧客装置に最適な製品を提供します。

電装分野では、独自の立体配線技術により小型化・薄型化を実現しモジュール内部のインダクタンスを大幅低減させた高出力用SiCモジュールを量産化します。また、同一パッケージで幅広い定格系列化が可能な次世代薄型パッケージのSiCモジュールのサンプル展開を開始します。これらの新製品により、顧客装置の小型化、低コスト化に貢献していきます。

※インダクタンス:この値が大きくなるとスイッチング損失やノイズが増大

産業分野向けの新製品
新中容量モジュール
新中容量モジュール
強み・特徴小型パッケージ(FPサイズ-49%:大容量モジュール比)
低インダクタンス化によりSiCチップ搭載にも対応
用途(例)再生可能エネルギー向け、データセンター向けなど
※FP:フットプリント
電動車向けの新製品(SiCモジュール)
高出力用モジュール
高出力用モジュール
強み・特徴小型・低背パッケージ(体積-49%:従来品比)
低インダクタンス(インダクタンス-80%:従来品比)
適用車格(例)大型車、スポーツ車
次世代薄型モジュール
次世代薄型モジュール
次世代薄型モジュール(組合せ適用例)
(組合せ適用例)
強み・特徴同一パッケージで幅広い定格を系列化
多様なインバータ回路構成に対応
適用車格(例)小型車、中型車、大型車

需要に対応した最適生産体制の構築

チップ製造工程(前工程)では、需要に対応したSiCの生産能力増強と第8世代IGBTの量産対応、小口径生産ラインの縮小を推進します。SiCは、津軽工場に続き松本工場で6インチの生産を開始するとともに8インチの量産準備を推進します。Siは、6インチ以下の小口径ラインを計画的に縮小・閉鎖し、8インチ化への生産シフトにより生産性の向上、合理化を推進し収益力の向上を図ります。

組立工程(後工程)では、新製品の量産立上げと需要増に対応した生産能力増強を推進します。国内拠点では、産業分野向け第8世代IGBTモジュールおよび電装分野向け新製品SiCモジュールの生産開始、産業用大容量モジュールおよび電動車向け小型IGBTモジュールの生産能力を増強します。中国やマレーシアなどの海外拠点では、グローバルで需要が継続している第7世代IGBTモジュールの生産能力を前年度比で20〜30%増強し、産業分野向け需要増に確実に応える体制を実現します。

最新IR資料