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富士電機レポート2026/統合報告書/事業を支える横ぐし戦略/人財
人財
「従業員ファーストをベースに「ウェルビーイング」と会社の持続的な成長を実現します。」
富士電機は「多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮する」を経営方針に掲げ、「人を大切にする」を企業行動基準としています。人権尊重や安全衛生、社員の健康確保をすべての基盤に置きつつ、会社の持続的成長に向けて核となる人財の活躍推進、育成、適正配置など、「人への投資」に積極的に取り組んでいます。
将来予測が容易ではなく、新たな価値観へのシフトが進む環境において、当社が持続的成長企業であり続けるために、最も大切なのは「人財」です。事業環境が目まぐるしく変化する中で、経営戦略と連動し、環境変化に適応しながら新たな付加価値を創出し続けることができる人財を育成すべく、各種施策を展開しています。
2026年度中期経営計画における人財戦略に基づき、従業員ファーストの考え方を堅持しつつ、ウェルビーイングと会社の持続的成長の好循環の実現をビジョンとして掲げて取り組んでいます。個性と多様性を尊重した人財マネジメントを通し、社員一人ひとりが富士電機で働くことに幸せを感じながら自律的に生産性を高める仕組みや、多様な人財が部門や地域の垣根を越えチームとして総合力を発揮できる環境の整備をグローバルに推し進めています。
さらに、これまでの成果と課題を振り返り、更なる企業価値向上を目指して次期中期経営計画に向けた検討を進めています。変化の激しい時代においても揺るぎない競争力を維持するため、「人財」を通じた成長基盤の強化をより一層加速させていきます。
経営戦略と連動した人財戦略
富士電機は、社員のウェルビーイングと会社の持続的成長の好循環によって社員一人ひとりの持てる力を最大限に引き出し、取り巻く環境変化に対応できる人財を育成することによって、企業価値向上につなげることを人財戦略のベースとしています。
目指す姿と重要課題
社員のウェルビーイングと会社の持続的成長の好循環に向け、「多様な人財の活躍推進」と「働きがいの向上」を重要課題と捉え、人財施策に取り組んでいます。
| 目指す姿 | KPI | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|---|
| 社員のウェルビーイングと 会社の持続的成長の好循環 | 会社満足度※1 | 3.8pt | 3.8pt以上 |
| ウェルビーイング指数※2 | 3.6pt | 3.6pt以上 | |
| 営業利益率 | 11.1% | 11.2% |
| 重要課題 | 主な施策・制度 | KPI | 2025年度実績 | 2026年度目標 |
|---|---|---|---|---|
| 多様な人財の活躍推進 | ||||
| 女性活躍推進 | キャリア形成支援 働きやすい環境整備 |
女性役職者数 | 361名 | 450名 |
| 女性管理職比率 | 4.1% | 4.8% | ||
| シニア活躍推進 | 一般社員 65歳定年制 幹部社員 60歳以降再雇用制度 65歳以上雇用ガイドライン |
60歳以降社員の会社満足度 | 3.9pt | 3.9pt以上 |
| 障がい者活躍推進 | 安定的な雇用と職域拡大 | 障がい者雇用率※4 | 2.95% | 法定以上 |
| 働きがいの向上 | ||||
| 働き方改革 | 時間外労働縮減・休暇取得日数向上 スマートワークインセンティブ 両立支援(育児・介護) オフィスのフリーアドレス化 |
月当たり平均残業時間 | 18.9時間 | 20時間未満を維持 |
| 年休平均取得日数 | 18.7日 | 17日以上を維持 | ||
| 次世代経営人財 | 次世代経営人財登録 選抜研修 ライン後継者育成制度 |
次世代経営人財登録者数 (執行役員候補) | 47名 | 50名 |
| キャリア形成支援 | 社内公募制度 世代別キャリア教育 グローバル人財の育成強化 デジタル人財の育成強化 |
キャリア自律意識※3 | 3.5pt | 3.6pt以上 |
※1 総合的な会社満足度を示す代表設問「富士電機で働いていることに満足している」に対する回答
※2 「仕事のやりがい」「評価の納得度」「ワークライフバランス」「心身の健康」「働くうえでの幸せ」に関する設問に対する回答
※3 設問「あなたは、自分自身のキャリア目標(将来のありたい姿)を描いている」に対する回答
(※1〜3は、1〜5ptの5段階評価(点数が高い方が肯定的)の回答平均値。調査対象範囲は当社および富士電機E&C㈱を除く国内外連結子会社)
※4 障がい者雇用率は2026年6月現在の値
社員意識調査
国内外の社員に社員意識調査を毎年実施し、経営方針の理解度や、会社・職場・仕事に対する満足度などの現状把握と経年変化の分析を行っています。調査結果は、自部門の振り返りと組織マネジメントの改善に活用するだけでなく、処遇制度の見直しや、社員のキャリア形成支援、各種研修の拡充といった諸施策にタイムリーに反映しています。これにより、組織全体の課題を解決しながらより働きやすく働きがいのある環境整備を推進しています。
会社満足度
(pt)ウェルビーイング指数
(pt)仕事のやりがい
(pt)評価への納得性
(pt)ワークライフバランス
(pt)心身の健康
(pt)働くうえでの幸せ
(pt)各ポイントは5段階評価の平均
多様な人財の活躍推進
女性活躍推進
多様な人財による変化への適応、新たな価値創出を通した会社の持続的成長の実現に向け、多様な人財が活躍できる環境整備を進めており、特に女性活躍推進施策を強化しています。
採用、キャリア形成支援、働きやすい環境整備の3つの側面から取り組みを推進しており、女性採用比率は2018年度以降20%以上を継続。階層別のキャリア形成支援を重点的に実施しており、女性社員のキャリア形成につながる施策を継続実施しています。
2025年度には女性管理職層向けのメンター制度を新たに導入し、経営リーダーに向けてのマインド醸成を支援しています。
| 取り組み | 内容 |
|---|---|
| 理工系女性採用プロジェクト | 職場で活躍する理工系出身の女性社員の生の声を伝えるセミナーなどを通じて、理工系女性社員の採用につなげる取り組み |
| シスター制度 | 女性先輩社員をアドバイザーとした部門横断的なメンター制度 |
| 重点キャリア対象者の育成 | 女性社員のキャリアアップのための教育研修。基礎能力向上に向けた座学講座と課題解決の実践演習を通し、上位職挑戦の支援を実施 |
| 次世代経営人財への登録 | 2025年度は15人の女性社員を登録 |
| 女性管理職研修 | 女性管理職が経営参画できる素養を身に付けるための研修を実施 |
| 女性管理職向けメンター制度 | 有識者をメンターとした女性管理職向けのメンター制度。経営リーダーに向けたマインド醸成を支援 |
| 2023年度末 | 2024年度末 | 2025年度末 | 2026年度末(目標) | |
|---|---|---|---|---|
| 女性社員比率 | 13.8% | 13.9% | 14.1% | ― |
| 女性採用※1比率 | 21% | 20% | 22% | 20%以上 |
| 女性管理職※2比率 | 3.6% | 3.8% | 4.1% | 4.8% |
| 女性役職者※3数 | 336名 | 342名 | 361名 | 450名 |
当社ならびに当社と同一の人事制度を採用する国内子会社(6社)を対象
※1 女性採用:大卒、高専卒 ※2 管理職:課長職以上 ※3 役職者:主任クラス以上
| 海外連結 | (参考)国内外連結 | |
|---|---|---|
| 女性社員比率 | 39.3% | 24.4% |
| 女性管理職比率 | 24.5% | 9.2% |
富士電機では、多様な人財の活躍につながる女性社員のキャリアアップ支援の一環として、「女性管理職向けメンター制度」を導入しました。メンタリングを通じて、参加者が「目指したいリーダー像」を描き、その実現に向けたアクションプランの策定と実行を伴走することで、更なるステップアップを支援しています。
外部メンターとの対話を通じて、自分自身でも気づいていなかった強みに光を当てる貴重な機会となりました。自身の強みを軸とした「ありたい姿」を追求するプロセスは新鮮で、今後のビジョンと次なるアクションをクリアに描くことができました。また、一緒に参加したメンバーとの交流を通じて、社内の女性幹部社員同士の横のつながりが深まりました。最終報告会では上司から温かいエールをもらい、今回の学びを今後のキャリア形成にしっかりと活かしていきたいです。
シニア活躍推進
労務構成の高年齢化、労働力確保の観点から、シニア活躍推進にも注力しています。製品寿命が長い当社製品に関する豊富な経験とそれに伴う技術・知見を有する60歳以上のシニア社員層は貴重な戦力と考え、社員のライフキャリアの充実と事業継続の両立を実現しています。
一般社員層は、2025年度より定年年齢を一律65歳とし、報酬水準の引き上げを実施しました。幹部社員層は、パフォーマンスによっては60歳以前の処遇維持を可能とする「シニアタスク制度」を導入しています。加えて、最長75歳まで活躍できる「65歳以降雇用ガイドライン」を全社的に整備しており、2026年3月現在、約450名がプラント・システムのエンジニアリングや後継の指導などを中心に活躍しています。
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|---|
| 一般社員:60歳以上雇用人数※(雇用率) | 301名(85.5%) | 266名(81.6%) | 270名(81.6%) |
| 幹部社員:シニアタスク制度人数(選択率) | 127名(94.8%) | 129名(92.1%) | 155名(96.3%) |
| 65歳以降雇用ガイドライン対象者 | 413名 | 444名 | 437名 |
※ 2024年度までは定年延長選択人数・率、2025年度以降は60歳以降雇用人数・率
障がい者活躍推進
当社は、1994年に障害者雇用促進法に基づく特例子会社(株)富士電機フロンティアを設立しています。同社は、障がい者の採用と職域を拡大することで順次活動範囲の拡大を図り、障がい者の更なる活躍推進に向け、主な職域であるPCを使ったオフィス支援業務や清掃業務に加え、製造ラインでの組立業務・製造支援業務への職域拡大に積極的に取り組んでいます。
2026年6月現在、同社には458名が在籍し、障がい者雇用率は2.95%と法定雇用率(2.5%)を大きく上回っています。今後も毎年15名程度の採用を継続するとともに、職域の確保・拡大と安定的な雇用に取り組んでいきます。
人財育成の取り組み
企業行動基準に、社員一人ひとりの成長とチームの総合力の発揮を実現する人財育成の強化を表明し、社員の能力開発の充実と教育投資の増強を図り、強力なリーダーシップと高い専門性を発揮できる人財の育成強化に取り組んでいます。
次世代経営人財の育成
持続的成長に向け、将来の経営幹部人財の育成にも積極的に取り組んでいます。育成のポイントは大きく3点です。1つ目は、若手段階からの育成対象者の厳選、2つ目は事業・職種ローテーションや海外事業での経験を必須とした計画的なOJT、3つ目に選抜研修への参加です。年に一度、それぞれの進捗について、執行役員と共有・議論し、内容の充実を図っています。
本取り組みの対象者から、2024年度以降、6名の執行役員が輩出されました。
グローバル人財の育成
海外事業の拡大に向け、2017年度から、全社横断的なグローバル人財育成制度として、日本社員の海外拠点への派遣による育成(2017年度からの累計で56名)、海外拠点社員の日本でのトレーニング(同158名)、日本国内での語学教室(同2,327名)の運営・改善を進めてきました。また、2023年度より海外拠点における現地オペレーションの自律化に向けて、将来の経営幹部候補に対する人財育成を推進する取り組みを進めており、2025年度は候補者のうち24名が特別プログラムに参加しました。
キャリア形成支援
社員の自律的なキャリア形成を通した専門性の向上と、それによる会社の総合力向上に向け、キャリア形成支援に取り組んでいます。
2025年度は世代別のキャリア研修を導入し、対象者449名、所属長335名が受講しました。社内公募制度では20名が本人の希望する部門へ異動しています。また、自律的な能力開発への移行に向け、階層別研修やオープン講座において、選択型の教育コンテンツを拡充しています。
リスキリング・DX人財育成
多様な人財が「自律的で生産性の高い働き方」を実現できるよう、事業ニーズに応じたリスキリングや、生産性向上に向けたアップスキリングに取り組んでいます。
特に、AI・IoTなどのDX先端技術を活用した課題解決、新たな価値創出や社内業務の生産性向上に向け、デジタル人財の育成に積極的に取り組んでいます。開発を担う技術者だけでなく、生産部門や営業・サービス部門も含めDXリテラシー向上に向けた教育を実施しています。DX関連講座の受講者は、2021〜2025年度の5年間で、実質10,000名超、延べ39,000名超となりました。
働きがいのある職場づくり
人事・処遇制度の改定
富士電機の更なる成長に向け、社員の成長とマネジメントの強化を推し進めるとともに、多様な価値観により、変化の兆しをいち早くとらえ、タイムリーかつ柔軟に対応できる創造的な組織づくりを目指し、経営方針「多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮」に立脚し、人財戦略ビジョン「ウェルビーイングと会社の持続的成長の好循環の実現」に向け、人事・処遇制度を22年振りに抜本的に改定しました。
一般社員層においては、処遇の基軸を「職能」から仕事の現在価値である「役割」に変更し、社員の役割自認を通した自律的なキャリア形成や専門性の向上、より大きな役割獲得に向けたモチベーション向上につなげます。加えて、企画職の最上位職に、新たなマネジメント層として「課長補佐」の役職を設けることで、強い次世代リーダーを育成するとともに、ラインマネジメントを強化し、多様な人財による強く柔軟な組織へのレベルアップを推し進めます。
幹部社員層においては、高度な専門性を有する社員をより一層経営に活かすという趣旨のもと、社員のキャリアパスの一つとして、プロフェッショナル職制度を導入、2026年度は5名が認定されました。
労働力人口の減少や技術の高度化など事業環境が変化する中、限られた人財資源で持続的に成長するには、ラインマネジメントの強化とともに、社員一人ひとりが専門性と生産性を高め、チームの成果を最大化し続ける必要があります。また、多様な人財の活躍を推し進めるにあたっては、個々の仕事観やライフステージに応じた個人レベルのマネジメント強化も重要です。今回の改定により、次のステージに向けた「社員の成長」と「組織の変革」を目指します。
働き方改革
ワークライフバランスの充実や両立支援をはじめとする多様な人財の活躍推進と、業務品質・効率といった生産性向上の両側面から、働き方改革を進めています。
2025年度の平均残業時間は18.9時間/月(対前年度+0.3時間)、平均休暇取得日数は18.7日/年間(対前年度+0.4日)と対前年度ではほぼ横ばいでしたが、対2019年度では大きく改善しています。労働時間、休暇取得ともに法令違反はありませんでした。
また、家族看護に伴う勤務制度の拡充を通し、両立支援の強化を図りました。
職場環境の面でも、働きやすい環境整備を通した生産性向上を狙いとし、2025年度には大崎事業所の全職場をフリーアドレス化しました。また、社員のコミュニケーション活性化に向け、大崎事業所にSozoエリアを新設しました。
| 2019年度 | 2025年度 | |
|---|---|---|
| 月当たり平均残業時間 | 23.8時間 | 18.9時間 |
| 年平均休暇取得日数 | 16.5日 | 18.7日 |
| 在宅/サテライト勤務延べ日数 | 3,207日 | 102,090日 |
| 育休制度 内、男性取得人数(取得率、平均取得日数) | 302名 197名(84.5%、63日) | 309名 213名(93.8%、93日) |
※ 育休には配偶者出産時の特別有給休暇を含む
働きがいのある職場づくりの一環として、本社13Fに「Sozoエリア」を開設しました。社長メッセージにある“二つの「そうぞう力」”=「創造」と「想像」に由来しています。一人ひとりの「そうぞう力」を尊重し、多様な働き方を促進しています。
また、ミーティングエリア(Sozoベース)とリフレッシュスペース(Sozoラウンジ)とで異なる雰囲気を演出し、Sozoラウンジでは定時後にはアルコールの飲用も可能、役職や組織の枠を越えた交流を支援しています。
